この度、建設技術者有志にて「一般社団法人 建設イノベーション推進機構(Innovation Promotion Agency for Construction(=IPAC))」を設立いたしました。
公共事業を支える建設技術は、その成果として社会基盤である諸施設を構築してきました。
基盤整備がほぼ充足した今日、社会基盤の健全な機能の持続に向けた、諸施設の維持修繕が求められています。
諸施設建設後の時間経過とともに、施設は経年的に材料劣化が進行するほか、地震・豪雨・土砂災害・凍害等の自然営力による損傷を受け続けます。これらの劣化要因に対して技術基準の改訂や新技術の開発等により、施設の耐久性向上や品質改善への取り組みが継続的に行われてきました。交通事情の変化など、社会が求める諸施設への要求事項の変化を含めた基準改訂の歴史は、まさに建設技術の歴史的変遷の証そのものであります。
この結果、現有の社会基盤を構成する諸施設は、さまざまな時代の技術水準の実態を包含しており、これを維持修繕する場合、現時点と異なるかつての技術の総体(設計思想、材料、施工法等)をよりよく理解し、現在の修繕技術に適切に反映することが重要です。
いわゆる、“技術の継承”問題です。これを別の側面からみれば、時代を経た技術の変化は、数多くの大規模災害等の激甚な環境との遭遇を経た、安全・安心な社会基盤の構築を実現してきた技術の改善・向上の結果であり、国土強靭化の施策を先取りした歩みともいえます。この意味で、災害大国日本の諸施設の維持修繕にあたっては、適切に技術の継承を図ることが持続性のある安定した社会基盤の構築に重要な課題と考えられます。
“技術の継承”は、時代を遡る社会基盤を支えた熟練技術者の減少や旧資料の散逸等によって円滑に進んでいるとは言えません。このことは、維持修繕を進める上で技術の担い手不足の問題にも影響し、大きな社会的課題となっております。施設管理者、特に地方自治体においては維持修繕を担う自治体技術職員の人材不足、財政上の条件等により十分な対応が難しく、何らかの支援システムの構築が望まれています。
一方、近年の建設分野における情報化の流れは、建設技術のICT化に対応した新たな社会インフラの維持管理技術の導入を招来しつつあり、同時に、人的・財政的に厳しい社会情勢下で、より合理的な技術的対応が求められております。これらの情報化は、維持管理においては基本的な履歴情報の取得・集積やその分析・評価技術、およびその管理体制・システムへの反映等の様々な側面で改善をもたらすことが期待されます。
時代の異なる社会インフラを包含する維持管理システムにとって、建設技術の情報化が将来的に情報の共有・伝達に合理的な状況をもたらし、技術継承の円滑化とともに、施設の延命化が適正に図られるシステムづくりが望まれます。
本法人IPACは、これらの建設事業に関わる様々な課題の中から、今後求められる熟練技術者の経験と知識、そしてネットワークをもとに「技術の継承」活動を行うとともに、新技術へ向けての新たな価値を創造し、近年の様々な「情報化」へ向けての研究活動、関連各種の新技術の紹介等タイムリーな講演会の実施、情報配信活動等、建設業界そして技術者への支援活動を行います。また、自らも事業を開拓・実践し建設技術の発展に寄与したいと考えております。
以上、今後、更なる組織の発展に向け、これからも尚一層のご理解とご協力を賜れば幸いに存じます。
一般社団法人 建設イノベーション推進機構
代表理事 金澤義輝
名称 | 一般社団法人 建設イノベーション推進機構 IPAC (Innovation Promotion Agency for Constructon) | ||||||||||||||||||||||
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所在地 | 〒065-0023 北海道札幌市東区北23条東15丁目5番25号 ノーヴル23-203 | ||||||||||||||||||||||
設立年月日 | 平成28年5月27日 | ||||||||||||||||||||||
TEL/FAX | 011(731)3750 | ||||||||||||||||||||||
役員氏名及び役職 |
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自治体支援システムに関するもの 等
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